【ロック編】長岡亮介のルーツを辿ってみる【その1】
- 2014.11.14
- ルーツを辿る
ルーツを辿ってみる、第4回。
今回はロック編です。
前回までの記事もどうぞ。
今回は、浮雲作品唯一のシングルカット曲「OSCA」の中に隠れたルーツを辿ってみましょう!
Jimi Hendrix
アメリカ出身のギタリストジミ・ヘンドリックス。
おそらく、現代のギタリストのルーツを辿れば必ずジミヘン辿り着くはずと言っても過言ではないでしょう。
1960年台中盤、それまではバンドの脇役だったエレキギターを、一気に主役級に持ち上げたのが彼です。
歯でギターを弾いたのも彼。ギターを燃やし、破壊するパフォーマンスをしたのも彼。足元にエフェクターをずらっと並べたのも彼。ファズというエフェクターを広めたのも彼。10分以上のギター・インスト曲を初めてアルバムに収録したのも彼。
ジャズやクラシック、チャック・ベリーのようなロックンロール、ビートルズのような前衛的音楽、ザ・フーのような過激なパフォーマンス、バディ・ガイのような荒々しいブルースなど、あらゆるジャンルの音楽を吸収した、まさに60年代ロックの集大成とも言える人物です。
60年代のアメリカいえば、黒人差別が激しかった時代。白人の間では、ビートルズやストーンズ、ザ・フーなどの、イギリスロックが大流行していましたが、黒人側は「なにがイギリスの白人がロックンロールだ。ブルースとジャズこそ至高!」という状態。
一方イギリスの白人はというと、「昨日レディオから流れてきた黒人のブルースが最高にCOOLだったぜ!ブラックミュージック最高!」という状態。そんなアメリカとイギリスの、全く異なった音楽的価値観の中にジミヘンは現れました。
しかしジミヘンは、白人二人とロックバンドを結成。アメリカの黒人からは「なに白人とロックしてんだよ裏切り者!」と煙たがられました。こりゃ駄目だと、イギリスへ飛んでデビュー。イギリスの少年たちの間では「黒人のロックギタリスト、ジミ・ヘンドリックス?最高にCOOLだ!」と、瞬く間にスーパーギタリストにのし上がりました。
イギリスで名が売れたジミヘンは、アメリカへ帰国します。もちろん黒人からは相変わらず煙たがられる面もありましたが、白人のロックファンからは大受け。「ジミの音楽とドラッグでハイになれるゼ!」と。
当時から”ギターの神”の異名を得ていた”エリック・クラプトン”はジミヘンの影響からストラトキャスターを買占め、ジミヘン本人にもストラトをプレゼントするほどのラブコール。
同じく、天才ギタリスト”ジェフ・ベック”は、ジミヘンが登場してからは、「もう俺の仕事はなくなった」と絶望したほどそう。
と、長くなるのでここらで割愛。ジミヘンについては伝記本などもあるので、興味のある方是非。
では、なぜジミヘンなのかというと、『OSCA』のイントロに、ジミヘンの名曲「Purple Haze」が見え隠れしているからです。出だしの「デッデッデッデッ」のところ。
そして、OSCAの曲中で多用される「E7#9」というコード。このコードは元々ジャズでよく使われていたコードですが、ジミヘンが多用したことから「ジミヘンコード」と呼ばれています。ギターを持っている方は、下の画像のように押さえてみてください。一瞬でジミヘンになれます。
どうでしょう?なんともおぞましい響きですね。
その形のまま12フレットに持っていけば(A7#9)、椎名林檎の「本能」のイントロも弾けちゃいます。iphoneの緊急地震速報の音もこのコード。
亀田誠治師匠も、下の動画でジミヘンコードについて触れています。
と、ここまでは単にジミヘンのオマージュじゃん、と思われそうですが、長岡亮介がジミヘンをリスペクトしている確固たる証拠を発掘。
こちらのサイトより。
2001年のライブレポート。白い左利き用ストラトを逆さまに…まさしくジミヘン。(ジミヘンは、右利き用ストラトを逆さまにしてます。)
ストラトを使っているイメージすら無いので、これにはびっくりですね。
JimiHendrixおすすめの音源
ジミヘンは、デビューしてから3年という短いキャリアで他界しています。
残したオリジナル・アルバムは3枚のみ。
3枚とも伝説級の名盤です。ロックファンならずとも必聴。
他には、最近発売された未発表音源集、
がオススメ。最新技術を駆使したリマスター音源で、かなりの高音質でジミヘンを堪能できます。本当に、すぐそこにジミヘンがいるような感覚。
他にもジミヘンのCDはたくさん発売されており、公式音源や、非公式のライブ音源、未発表音源など全て合わせると100枚は軽く超えているはず…(笑)
これを機にジミヘンに興味を持っていただけたなら、CD・レコードを収集してみるのも楽しいかもしれません。
おわりに
筆者自身、ジミヘンの大ファンなので、話が長くなりました(笑)。
次回もOSCAからルーツを辿ってみようと思います。
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数篇に分けて、ルーツを辿る記事を投稿しています
是非どうぞ。
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