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東京事変『大人』発売20周年!
2006年1月25日に発売された東京事変の傑作『大人(アダルト)』が発売20周年を迎えました。伊澤一葉と浮雲(長岡亮介)が加入した東京事変第二期メンバーの幕開けを飾った名盤です。
前作『教育』で見せたエモーショナルなロックサウンドから一転、本作ではアルバムタイトルの通り、ジャズやボサノヴァ、ソウルを飲み込んだ芳醇で都会的なアンサンブルへと進化を遂げました。
成熟したアンサンブル
本作の大きな特徴は、メインコンポーザーである椎名林檎の楽曲のみならず、メンバーそれぞれの個性が強く反映された楽曲群にあります。初期の衝動を昇華させ、より緻密に構成されたアレンジは、20年経った今も色褪せることはありません。
アルバムを象徴する楽曲たちは、メンバーの高い演奏技術と作家性が融合して誕生しました。
- ライブでの定番であり、圧倒的な多幸感をもたらす『透明人間』、そして叙情的なメロディが胸を打つ『スーパースター』。これらは亀田誠治が作曲を手掛け、事変のポップサイドを象徴する楽曲となりました。
- 伊澤一葉が編曲を手掛けた『秘密』、作曲を手掛けた『手紙』は、彼の鍵盤がもたらす複雑かつ美しい旋律が、バンドに新しい風を吹き込んだことを証明しています。
- そして、東京事変結成以前から活動を共にしていた刄田綴色と浮雲による、軽やかでトリッキーなフレーズの数々。アンサンブルはより軽妙で、文字通り「アダルト」な質感を獲得し、東京事変のその後の方向性を明確なものとしました。
ミュージック・ビデオ
本作は楽曲だけでなく、映像作品としての完成度も極めて高いことで知られています。
先行シングルとなった『修羅場』のミュージックビデオでは、白を基調とした世界に鮮やかな色彩が混ざり合う、静謐ながらも緊張感のある映像美が展開されました。
修羅場
喧嘩上等
ADULT VIDEO
アルバムの世界観を補完する映像集『ADULT VIDEO』も、この時期の彼らの美学を語る上で欠かせないピースといえるでしょう。
本作には、公式YouTubeチャンネルでも公開されているミュージックビデオを含む全6曲が収録されています。映像の美しさはもちろんのこと、一部の楽曲ではアルバム収録テイクとは異なる、映像作品ならではの別アレンジを堪能できるのが大きな魅力です。
- 歌舞伎
- 秘密 FOR DJ
- 恋は幻 FOR MUSICIAN
- 修羅場
- 喧嘩上等
- 黄昏泣き FOR MOTHER
全国ツアー「”DOMESTIC!” Just can’t help it.」
アルバム『大人』のリリース後、東京事変はホールツアー「”DOMESTIC!” Just can’t help it.」を敢行しました。このツアーでは、歌舞伎からインスピレーションを得た、極めて独創的な演出が取り入れられています。
ステージ上からアンプやシールドなどの機材を極限まで取り払い、視覚的なノイズを削ぎ落とした空間は、メンバーの立ち振る舞いをより鮮明に浮き彫りにしました。また、フロントに椎名林檎を据え、その後方に伊澤一葉、亀田誠治、浮雲、刄田綴色の4人が横一列に並ぶスタイルは、この時期にひとつの完成形に。このストイックなまでに美意識を貫いたステージ構成は、二期メンバーによる「新生・東京事変」のアイデンティティを視覚的にも決定づけるものとなりました。
少女ロボット
ミラーボール
ブラックアウト
ダイナマイト
喧嘩上等
関連書籍
『大人』のリリース当時、多くの音楽誌やカルチャー誌がこの作品を軸に特集を組みました。誌面には、東京事変のメンバー編成について語られたインタビューや、楽曲の核となるこだわりの機材紹介、当時の空気感を閉じ込めた貴重な撮り下ろしカットが数多く掲載されています。
- 『H (エイチ) 2006年 02月号』
- 椎名林檎 伊豆、温泉宿の旅
- 『ロッキング・オン・ジャパン 2006年2月号』
- 東京事変・椎名林檎 特集
- 『Oricon Style 2006年 No1327』
- 東京事変 椎名林檎 表紙・特集
- 『ギター・マガジン 2006年3月号』
- 浮雲 紙面初登場
- 『ベース・マガジン 2006年3月号』
- 亀田誠治 表紙・特集
- 『GIGS 2006年8月号』
- Just can’t help it. の使用機材を特集
おわりに
リリースから20年が経過し、当時リアルタイムで聴いていた世代も、新しく彼らの音楽に出会った世代も、本作が持つ「洗練された遊び心」に改めて魅了されています。激しい叫びではなく、卓越した技術と余裕から生まれる熱量。 時を経て成熟した今だからこそ、この『大人』なサウンドに身を委ねてみてはいかがでしょうか。


