(第2夜)『深夜の音楽食堂』松重豊×長岡亮介の文字起こし
松重豊がパーソナリティを務めるラジオ番組『深夜の音楽食堂』。「おげんさんといっしょ」での共演がきっかけで長岡亮介がゲストに招かれ、12月11日と18日の2夜に分けてオンエアされました。
先日公開した第1夜の文字起こしに続き、今回は12月18日放送の第2夜分をどうぞ。
あいさつ
豊「今夜のお客様はこの方です!」
亮「ペトロールズの長岡亮介でございます!」
豊「えーあるときはペトロールズのヴォーカルギター、あるときは浮雲さん…これはもう古いんですか?」
亮「まぁ…まぁそういう時もありますね。」
豊「…浮雲さんとして、東京事変でギターを掻き鳴らし、またあるときは星野源くんを始め多くのアーティストを支えるギタリストで神出鬼没の音楽家、長岡亮介さん。今夜もいろいろお聞かせくださいませ。」
亮「よろしくおねがいします!」
ペトロールズ以外の活動について
豊「先週はいろいろと、現在に至るまでの話等、伺いましたけれども。今NHK教育テレビで放送中のムジカ・ピッコリーノ。こういうの楽しそうですね。」
亮「ふふふふ(笑)」
豊「Eテレ。Eテレ一番楽しそうだもんな。欲しいなぁそういう番組もなぁ。音楽番組。」
亮「今度出てくださいよ、じゃあ。」
豊「いや出たいけど、音楽が何も出来ないんだよねぇ。もう出来ないって言ってるのに「おげんさんといっしょ」みたいなのに引っ張り出されるから、もうどうしていいか分からなくて、あんな女装みたいなことをしてしまいましたけれどね。」
亮「ふはは(笑)そうだったんですかね(笑)」
豊「今長岡さん、そのペトロールズ以外の活動は一年間のうちの大体何%を占めるんですか?」
亮「そんな…パーセンテージはちょっとわからないなぁ。だって場合によるじゃないですか。別の現場でツアーがあるとか、ないとか。」
豊「そんなときでも、今度ペトロールズでやろうみたいな曲は、合間合間に作っているんですか?」
亮「そうですね、うん。まぁ普通に…生活の中でって感じです。合間というよりは…うん。」
好きなモノ(車・自転車・ギター)について
豊「最初に話をしましたけれども、車好きということも伺いました。一回ね、僕ね、息子が下北に引っ越すからって荷物運んでるときにね、夜だったんだけどね、「あ!長岡亮介!」って息子が言って、自転車で通りかかったんですよね。」
亮「はははは(笑)」
豊「夜、自転車で通ってるでしょ?」
亮「通ってます通ってます。」
豊「東北沢じゃない…世田谷代田とかあっちのほう、梅ヶ丘に向かう坂道かなにかを通ってた。あの辺通る?」
亮「通ります(笑)」
豊「自転車で?」
亮「はい(笑)」
豊「自転車好き?乗り物が好き?」
亮「えー、でも…車・自転車ですかね。その次は…なんだろ。バイク・飛行機。電車はそんなに…まだ。」
豊「鉄にいかない?」
亮「鉄いってないですね。」
豊「へー。」
亮「でも車が一番好きです。」
豊「子供の頃から好きだったの?」
亮「そうです。車なんて、ギターよりずっと好きですよ。」
豊「あ、ホント?シトロエン。言っちゃって良いのかなシトロエン。」
亮「シトロエン、いいですよ大丈夫です。」
豊「シトロエン、2台?1台?」
亮「2台。」
豊「えー、いいなぁー。何が良いですかシトロエンの。」
亮「なんかね、あれなんですよ。独善的っていうか、古いやつですけどね。作った人が、これはこうだからって押し通してる感じが好きです。」
豊「へー、当時のフランス野郎。」
亮「そうそうそう。」
豊「へー。最初からシトロエンですか?」
亮「最初はね、ジムニーなんですけど(笑)四駆も好きだったんですよ。その後、ずっとシトロエンです。」
豊「へー、中古の古いやつを買って、それをメンテナンスしながら…。旧車を買うと想像以上にお金がかかりますからね。」
亮「そうですね…。90年代、80年代、70年代、60年代ってどんどん遡っていってます、今(笑)」
豊「遡ってる!?」
亮「最初買ったのは90年代のなんですけど。今60年台と70年台のが、うちにある(笑)」
豊「へー、当然あの、意味がわからないマニュアルの?」
亮「そうですそうです。でもね、人気のある60年台、70年台のエレキギターよりは安いですよ。」
豊「そうなんですか?ギターは今何本くらい持ってるんですか?」
亮「ギターは…5、60くらいじゃないですか(笑)」
豊「5、60!?はぁー。そこに関しての必要経費の掛け方としては、ミュージシャンとしては半端ないんですか?」
亮「なんか、手放せないんですよね。手に入れたものを、寂しくて。」
豊「5、60本ってどこに置いてあるんですか?」
亮「部屋に置いてありますよ。バーって。」
豊「部屋に!?部屋って、湿度とか、何とかの影響を受けないんですか?」
亮「だからもう、カビとか生えてるんじゃないかな。ははは(笑)」
豊「大丈夫ですかそれー。だって、貴重なものもあるんでしょ?それ。」
亮「そうですね、でも高いモノ買わないんで、僕は、そんなに。高いモノ買ったら、高く売れるから、売ってもいいかなって思うんですけど。」
豊「割とじゃあ、そんなに高くはないけれども、ちょっと変わってる、この変さはちょっとたまらない、みたいなのがどんどん溜まっていくタイプ?」
亮「そうです(笑)」
豊「わかるなー、そういうの。」
亮「古いギターは高いんですけど、古いギターがちょっと改造してあると安かったりするんですよ。ちょっとそういう改造してあるのを安く買って、また自分でちょっと。」
豊「どういうところで買うんですか?そういうのって。」
亮「お店もあるし、eBayとかもありますよね。eBayって向こうのオークションサイトです。海外の。」
豊「あー、海外の。それで写真見て買って、送ってきて、おぉーこんなんだって言って、またそれがどんどん溜まっていくと。」
亮「そうですね。見る人が見ればゴミですね(笑)」
豊「まぁねー、でもそれはしょうがないですけども、ギター好きな人…六角さんなんかもね、楽屋に来る途中に楽器や寄ったら一本抱えて入ってくる、みたいな人がいて。」
亮「あぁいいなぁー(笑)」
豊「大変だぁこの趣味も、って思ってたんですけども、そうなっちゃうんですよね。」
亮「そうですね。」
豊「自転車は?」
亮「自転車は、1…2…4台。車みたいに税金とかかからないから良いですよね。」
豊「あぁーそっか。車でもね、シトロエンの旧車2台っていうのがまたね、たまらないですね。えぇ。」
最新アルバムから1曲
豊「ゆっくりお話をしたいものですけども、音楽食堂この辺で曲に行きたいと思います。私が選曲させていただきました。10月に発売されましたペトロールズの2ndアルバム『GGKKNRSSSTW』。繰り返します『GGKKNRSSSTW』から『NIGERO』。」
亮「この曲、変じゃない?大丈夫ですか?あんま自信がなくて、ふふふ(笑)」
豊「え、どういうことなの。」
亮「いや、なんか、良いのかなと思って(笑)」
豊「好きですよ。」
亮「あ、ありがとうございます(笑)」
豊「いや、好きなものから選んだつもりなんですけど…。」
亮「じゃあ良かった、自分間違えて無かったなって思って(笑)」
豊「いやだから、間違ってないけども、一般的な人から見てどうかって言われたら俺も自信ないですよ。俺も音楽に対しては、もの凄く好きが偏ってるなっていうのはあって、これ誰とも合わないなって思ってたんですよ。だからずっと、これはもう僕が個人的に偏愛してるものだろうなって思ってて、こういう番組始めて、この偏愛をやっていくと、星野くんみたいに引っかかってくる人もいるなって思って、いてもいい深夜の5%くらいの人たちかなって思って…っていう感じなので。5%に訴えるということじゃないですけども、好きな人にとってはたまらないっていう感じなんですよね。」
亮「なんかそういう…みんなもっとわかればいいのにって思いますけどね。みんな狭いじゃないですか、範囲が。」
豊「そうそうそう。そこを、僕らはなんとか展開させていきたいなっていう風に…番組を通してね。えぇ。好きっていいながらも、なんとなくこれ大丈夫かなっていうものもあるわけですよね。」
亮「そうなんですよ、それがまた良いなと思って。そういう、勝手に泳いでいくっていう。」
豊「全部これは自信作ですっていうことではなく、これも分かってくれる人がいたら楽しいなっていうものもある?」
亮「それしかない…(笑)」
音楽の偏愛について
豊「長岡さんから私に質問等あれば。…あればでございますけれども。」
亮「今ね、曲の間に話してましたけれども、やっぱり偏愛じゃないですか。」
豊「偏愛。偏った愛。」
亮「そもそも音楽お好きですよね?それで…最初に音楽好きだって思った頃って、いくつぐらいなんですか?」
豊「えーっと、僕はねぇ、福岡って割と音楽盛んな場所だったんですけども、最初にこれいいなって聴いたのは洋楽を…お金持ちの息子が東京の目黒の柿の木坂って書いてある自転車を持った子が転校してきて、そいつんちに遊びにいったらお手伝いさんがいて、うわお手伝いさんが居ると思って、そいつんちにステレオがあったんですよ。そこから、Paul McCartney&Wingsの『Silly Love Songs』が聴こえたんですね。あのイントロがうわ~カッコいいと思ったんですね。そこから、始まった気がしますね。」
亮「へぇー。」
豊「それ小学校の頃なんですけども、その後中学とか入ってくと、ピストルズとかそういうのが入ってきて。テクノとか。いろいろそういうのがゴチャゴチャと入ってきたんですね。」
亮「なるほど。」
豊「でも、楽器弾けない、歌もできないんで、どうしようと思って。」
亮「それ、トライはしたことあるんですか?」
豊「何度か挑戦したんですけど、もう全然、箸にも棒にもかからないというやつですね。だからもう、残念ながら音楽はこうやって偏愛するしかないっていう、そこにしか身の置き場がなかったんですよ。」
亮「そっか、ポール・マッカートニーなんですね。」
豊「最初ね。そっからだから、どんどん広げていくと音楽って面白いものがいっぱいあるんで。当時ラジオとかでも、渋谷陽一さんのヤングジョッキーとかああいうの凄く影響を受けたんで。そういうもので田舎の中学生だったんですけども。そういうのでどんどん聴いてましたね。」
亮「進んだ中学生ですね。」
豊「進んでるのか何か知らないですけども。友達もそんなにいなかったんで。そういうものを聴いて“こういうの好きない人クラスに絶対いないな”と思いながら、ずっといたんですよ。」
亮「そもそも(笑)そっからずっとマイノリティだったんですね。」
豊「マイノリティですよ。長岡さんの時代はやっぱり中学時代から…今でも“ししゃも”のメンバーと会うくらい…いたんでしょ?」
亮「いや、俺もいなかったですよ、全然。バンドやってる友達しかいなかったです、ほぼ。暗い、地味な学生。」
三角形のアルバムについて
豊「俺ね、聞いてみたいのは、ペトロールズのアルバムって最初がまず三角形じゃないですか?」
亮「はい(笑)」
豊「あれ、なんで三角形?」
亮「焼肉屋で、今日一緒にきてるスタッフと一緒に喋ってて、どうしようって言って、なんかそれで三角になって…その時に。三角じゃない?つって(笑)ホントそれだけです。」
豊「へー、置き場に困るっちゃ置き場に困るしね。置き場に困る分、そこが常に目に入るから、角がこうキュッと出てるとそれがどうしても。ペトロールズ、今度新しいのいつ出すんだろうなってことを気にかけてしまうっていう、なんかえげつない戦略みたいなものもあるのかなって、そういうことじゃなくて。」
亮「いやいや(笑)でも、CDラックに入りませんって言われたりするじゃないですか。そのCDラックはCDラックじゃないよって思ったりしますよね。」
豊「ほらほら、面倒くさい変態だよね。」
亮「ふふふ(笑)あとサインして下さいって言われた時に、CDが落ちるんですよ。キュって締まってないから。それがまた良いなって思ったりして。」
豊「良いんだ、それ。」
亮「良いですね、うん。」
豊「配信とかやらないのも、そういう考えがあるんですか?」
亮「なんかね、頑固にそういう風にしようと拘っているわけではないんですけども。」
豊「僕よくわからないんですよ、どういう気持ちの変化とかがあるのかなって。」
亮「表現の場だと思うんで、配信も、CDも。そこに全部頼るんじゃなくて、例えば配信するんだったら配信でしか聴けないものだとか、わかんないですけど、そういう風に遊べるような感じだなって思えれば、やるんじゃないですかね。」
豊「音楽って、フェスとかで割と世代間交流みたいなのってあるんですか?」
亮「んー…あるんじゃないですか?」
豊「あるんじゃないですかって、他人事。あんまりそこには関わらないようにしてるの?」
亮「あんまり…うん…楽屋エリアはちょっと…。ドキドキしちゃって。」
豊「あ、そうなの?」
亮「自分は、ですよ。うぇーい!ってやってるのもいるけど…あんまり社交的じゃないかもしれない。」
豊「社交的じゃない。音楽もあんまり積極的に今聴いているほうじゃない?」
亮「そんな探さないですよね。気にいったのを割と聴く感じですね、ずっと。」
豊「あ、そうなんですか。」
亮「なんか、忘れちゃったら嫌だなと思って。よく、本読んでても、読み終わる頃、最後の方になると最初の方忘れたりとか、忘れっぽい所あるんで、知って良いなと思ったものを大事にしたいなというか(笑)」
曲の作り方について
豊「へー。音楽食堂ここで曲に行きたいと思います。そういう長岡さんからのリクエストです。えー何を。」
亮「ちょっと前の曲なんですけど、Dwele(ドゥウェレ)っていう人がいて、今もいますけど。その曲を聴いていただこうと思います。Dweleで『A Few Reasons』。」
豊「ペトロールズの作る曲ってのは本当に新しい発想というかアイデアに溢れてる感じがあるんで、そういうものをどういうところから蓄積しているのかなっていうのは面白いところなんですけども、そういったところも今度是非来ていただいた時に、発想の源となるものみたいなヒントをあぶり出すなんかそういう…曲とか歌詞とかのイメージって。」
亮「どうですかね…でも曲は大体ビートから。なんかね、リズムから先に浮かびます、最近は。」
豊「へー!ギタリストなのに。」
亮「そうですね、なんか全然違う曲のフォーマットを無理やり取るようにぶち込むみたいな感じなんですよね、たぶん。こういう曲のイメージとかももちろんあるし。こういうの3人でやらないんじゃないですか。そこでうまいこと、無理やり作り直すみたいな。ので、多分個性も出ていると思いますね。言ってることがよくわからない(笑)」
豊「難しい音楽の話は私チョットすみません、翻訳できなくて申し訳ないです。」
おわりに
豊「さて、今夜は長岡さんと一緒にお届けしましたが、そろそろお時間となってしまいました。今後のご予定、来年のお知らせ等々ありましたら、どうぞ。」
亮「えー先週も言いましたが、とくにございませんので、とにかく応援して下さい。」
豊「とにかく、2ndアルバム買って下さい。」
亮「そうです、お願いします。」
豊「これね、名盤です。1stアルバムも含めて、三角形のね『Renaissance』と合わせて2枚とも名盤でございますので。是非、ご購入して頂かないとというですね。なんかどっかから引っ張ってこようなんて甘いことかんがえるんじゃないよ。」
亮「そうだぞ(笑)」
豊「お金払えって。」
亮「そうだぞ(笑)」
豊「まぁ俺が言うことじゃないんですけど(笑)」
亮「松重さんが言ってるんだぞ(笑)」
豊「へへ(笑)今後の詳しいことはペトロールズのホームページや長岡さんのTwitterなどをチェックしてください。」
亮「では、最後にもう一曲聴きながらお別れしたいと思います。私の選曲ですけども、曲紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。」
豊「はい、承りました。では聴いて下さい、ペトロールズの1stアルバム『Renaissance』から『雨』です、どうぞ。」
亮「FMyokohama深夜の音楽食堂、今夜はペトロールズの長岡亮介さんと一緒にお届けしました。」
豊亮「おやすみなさい〜。」
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