関ジャム 常田大希特集 椎名林檎のコメントまとめ
2023年5月28日放送「関ジャム 完全燃SHOW (常田大希特集)」
ゲストとして登場した椎名林檎のコメント・会話をまとめました。
・2019年11月放送 椎名林檎特集
・2021年6月放送 東京事変特集 (変ジャム)
椎名「お邪魔しております。今日は常ジャム」
椎名林檎だけが知る常田大希
─二人の出会いは、常田の東京での初ライブ
椎名「まだ学生でいらしたらしいんですけど、彼の当時の作品を聞かせてもらって。普通にクリエイターとして、なんなら音作りのパイセンみたいな感じで「この音色って有り物なの?」みたいなノリで、普通にやりとりしちゃったんですよね。音について、彼が作ったものに関してだけ。彼が私のことをどれくらいご存知かもちょっと分からなかったので、ただそれに関してだけ話してましたよね、たぶん。他の話とかもしたことがないから。初めて会ったとき、クラブの…悪い…桜ヶ丘の悪いクラブだったから見えなかった。全然見えないから年齢も顔も分からなくて」
椎名「並行して、キング…グヌー?っていうセンセーションが起こってるというのは、なんとなく把握していたけれども、結びついていなくて。あるとき、結びついた瞬間びっくり。アハ体験で。常田↔常田…こんな顔なん??(スマホでズーム)うおおおこれがぁあ!っていう。最初にやってた名義も難しくて。S…なんとか。ずーっと読めなくて。知ったかぶりして過ごしてました。読めないじゃん?」
(Srv.Vinci = サーバ・ヴィンチ)
椎名林檎からみた常田の魅力
私が初めて会った同業者。オリパラの代役を努めて欲しいと思ったこともそうなんですが、私としては常田氏のことを「初めての同業者だ」と感じていた。自分にとってそれが、他のアーティストさんとの大きな差です。もちろん、あるいは何か特定のパートに特化した職人というわけではなく、時間芸術全般のコントロールにこそ関心があって、その全体の起承転結でメッセージを遺すべく、素材からていねいに作っている人。MIKIKOせんせいは当時そういう項目をきちんと言語化して、「椎名さんのような視点で相談できる人がいないから辞めないでくれ」とおっしゃっていて「あ、お一方いらっしゃるよ」と彼を挙げたのでした。ダンス、ムービーやグラフィックが聴覚をブーストしてくれる尊さを踏まえているから、各部署へ的確にオーダーやディレクションができるし、相手から面白がってもらえるんだと思います。総合演出しながら源泉を産む作家として、常田大希は唯一無二だと思います。
椎名「確信に変わったのは、この前(W●RKで)ご一緒したときのビデオ撮影中ですけどね。専門性が高い。いろんなことを本当にお詳しくて。明かりとか、カメラとか、いろんなことをご覧になって。いろんな人が専門的な仕事をされてると「あ、これこういうふうにするんだ」「ここがいいですね」みたいなコメントを、ひとつひとつの仕事をしている職人さんのことを尊とんで、大事に大事になさるから、みんな気持ちいいのかな。いろんな項目に関して通でいらっしゃるかなと思いました。私はわかんない、全然」
コラボ曲制作における2人の役割
椎名「全部(常田くんが)」
常田「意外と林檎さん、お優しいなと思って。俺は凄い似ている先輩だとずっと思ってたから、売れる前から。子供の頃から。めちゃめちゃ(圧が)来るんだろうなって思ってて」
椎名「自分の会社の現場だと、そうかもしれない(笑)でも、常田くんの現場だから、常田くんがちゃんとコントロールしたい答えがあるので、その中の素材として歌を提供しただけです」
常田「ありがたいです、本当に」
椎名「ちらっと、(周りの)ミュージシャンたちから「常田くんは決め事をきちんとするよ。きちんとしなくていいの?」みたいなことを言われたことがあって。私が歌を録ってもらうときに、すごいきちんとEDIT(編集)してくれて。ワイルドな曲なのに、歌はちゃんときれいにお化粧をしてくれるんだなってびっくりしたりしたから」
常田「林檎さんとのときは俺も気合入ってるから、普段よりはカッコつけてたよね(笑)」
椎名「ディレクションも、名物ディレクターみたいな(笑)。例えば「もう少し息成分多めのテイク…」「もう一回もらってもいい?」みたいな感じのことを言われて。やってみて。こっちはさ「中村玉緒みたいになっちゃった!」とか言ってるんだけど、凄い温度差あって。「変な声でちゃった!」みたいな感じでやってると「いや、大丈夫だよ…」みたいな、凄いジェントルに。あたかも凄い良いヴォーカリストみたいに扱って頂いて」
横山「林檎さんがボケてきたなみたいな感覚はあったんですか?」
椎名「ボケてないよ(笑)」
常田「結構ボケてきてて(笑)」
椎名「そんなことないよ、本当に変な声が出ちゃって」
常田「林檎さんチームの井上雨迩さん(レコーディングエンジニア)とも初めてで。ずっと(林檎さんが)ボケては(雨迩さんが)小笑いして。俺は後ろで見て。みたいな(笑)」
常田大希の自己分析 7つのカテゴリー
椎名「(カテゴリ表を)私も事前に見せていただいて「なんと無防備な!」ってびっくりしてしまって。作家の人って、どういう発想で最初どういうところから着想したかとか知られたくないものなのかなと思って。カッコつけたがるじゃない。「ビート物作ったろ」って最初思ったのを隠すっていうか。「バラードを書こうと思って書き出した」っていうのを言わないで「いや、そういうのに括らないでくれたまえ」みたいな(笑)と思ったら、常田くんってなにかにつけて隠し事がない人で、そこがすごい魅力で。よく皆さんが品みたいなものを感じるのって、そういうことなのかなって思って。隠したりコントロールしようとすることが下品じゃないですか。人間のいやらしいところだから。いやらしさが本当にないっていうところが面白くて」
ポップさを意識したKingGnuメジャーデビュー前
常田「林檎さんが凄いのは、そこ(ジャンル)を超えていけちゃってるカリスマ性があるみたいな。いわゆるJ-POPのグループとは全然違う、構造も。なのでちょっと特例だと思います。」
新井「一回僕らが全然売れる前に、Srv.Vinciのときだったと思うんですけど、ふいにメンバーLINEに大希が「事変の『能動的三分間』って知ってる?めちゃくちゃやばくない?」みたいな。リリースされてから大分経ってたんですけど、僕も高校の時に事変のコピーバンドをずっとやってましたし、(King Gnu Vo.井口)理も事変のコピバン組んでたりしてて。もちろん『能動的三分間』もコピバンでやってたんですよ。「こんなもん知ってるよ、全然知ってるよ」みたいな言ったら「だったらなんでこのクオリティーのもの出そうとしないんだバカ」みたいな(笑)「これが良いっていうんだったら、これくらいのものをちゃんと出せるように考えろ」みたいな。僕もまだその時はバイトしてて、半分キッズで、事変だー!みたいなところにいたので、大希のその言葉でフラットに良い悪いを見ているというか、そうじゃないとその言葉って出ないと思うんですよ。その言葉で当時衝撃を受けたのは覚えています」
椎名「クリエイティブを対等に捉えてるってことですよね」
常田「地で行くと普通の感覚が全くわからない人種なので。何も考えずに作ると文化祭になっちゃう。芸大とかで音楽をちゃんと勉強した人ほどそういうのに陥りやすくて。1つのキーポイントというか、ターニングポイントですね」
KingGnu 楽曲『NIGHT POOL』について椎名林檎コメント
ビートの訛りにしろ、ビートの焦げにしろ、常田工場のものだなと感じる。学生だった頃の印象をずっと守っていらっしゃる出汁みたいな…。
J-POPとクラシックの違い
椎名「新井くんが仰ったみたいな、クラシックと云々という分け方だとちょっと分かりづらいかもしれないけど、歌モノとして作ってないんじゃないのっていう。とにかく聴いてみて、みんながワーって楽しいものとか、揺さぶられるものを作るってことだけはあるけど、歌モノっていうものを作ろうとしているわけじゃないですよね。楽器とかあらゆるものを持ってるけど、楽器って弾けるから使えるわけではないから。作家として優れている人っていうのは、楽器の良さをどう出し入れして、人をどう作用するかだから。J-POPとか、歌モノっていう枠ではないところまで、お客さんを信じて作ってあげてるところが凄いんだろうなと。立派ですね」
2人がタッグを組んだキッカケは? (12月24日放送の未公開シーン)
常田「なんか、俺が一方的に…こんなの作ったんですけどって送って。今回の曲(W●RK)じゃない曲を…っていうので、ゆったりとやっていたのがありまして。で、そろそろ完成かな、くらいまで来てたときに…何かの曲とかいうわけではなく」
椎名「スゴく時間がかかっちゃってて、やっとこれ歌入れてみたんですけどって数年越しにお渡ししたら、すぐ出してくれなくて…それよりも別のお話があるって仰ったんだ」
常田「出来て出さずに…。俺の中の椎名林檎像っていうのが…スゴいパンクなイメージもある方なんで。2面性ある方なので、一緒に出す曲もやっぱり両面あったほうが俺的には美しいなって。めちゃめちゃ勝手な感じで…」
村上「でも林檎さんも全乗っかりされたわけですよね?」
椎名「そうですね、安心感があるので。まぁ…そんなことになって」
常田「巻き込んだ側です、完全に(笑)」
★TVerで見逃し配信
https://tver.jp/episodes/epi66f9xdj
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